経営事項審査とは?経審の流れや費用など基礎知識を紹介

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経営事項審査(経審)は、
公共工事の競争入札に参加するために
必要不可欠な審査です。
さまざまな利点、高い費用対効果を得られます。


国や自治体から発注される公共工事を請け負うには、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。経審には諸手続きや費用がかかりますので、公共工事の元請けを希望する場合は、しっかり準備しておきましょう。

今回は、経審の基礎知識と、受けるメリット、必要な費用や手続きの進め方などに関する情報をまとめました。

経審の点数をアップするポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

経営事項審査(経審)とは

経営事項審査(経審)とは、公共工事の元請けを希望する建設業者を対象に行われる資格審査のひとつです。

資格審査では、建設業者の「主観的事項」と「客観的事項」の審査結果をそれぞれ点数化しますが、経審は客観的事項を審査するために行われます。

経審を受けると、その建設業者の経営状況や経営規模、技術力、その他(社会性等)について審査した結果を点数化した結果通知書が届きますが、これがないと公共工事の入札に参加できない決まりになっています。

なお、経審が必要な公共工事とは、建設工事1件あたりの請負代金額が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)のもので、かつ以下の発注者が発注する建設工事を指します。

  • ①国
  • ②地方公共団体
  • ③法人税別表第一に掲げる公共法人
  • ④①~に準ずるものとして国土交通省令で定める法人(東京地下鉄株式会社、首都高速道路株式会社など)

 

経審の審査項目

経審の審査項目は、大きく分けて4つのカテゴリに分類されます。

経営規模(X

完成工事高(X1)と、自己資本額および職員数(X2)の2つからなる審査項目です。とくに完成工事高は全体のウエイトの35%を占めており、最も重視される項目となっています。

経営状況(Y

建設業者の収益性、流動性、安定性、健全性を審査する項目です。具体的には、純支払利息比率や、負債回転期間、売上高経理利益率などから算出します。

技術力(Z

技術職員数と元請完成工事高から算出する審査項目です。

その他の審査項目(W

X、YZのいずれにも該当しない、社会性等を審査する項目です。労働福祉の状況や、工事の安全成績、営業年数、建設業経理事務士の数などを評価します。

経審では、項目区分ごとに審査を行い、以下の計算式をもとに総合評点(P)を算出します。

P=0.35×(X1)+0.010×X2)+0.20Y0.20Z0.15W

経審が必要な理由

国や自治体が発注元である公共工事の資金源は、国民が納めた税金です。

そのため、国や自治体は経審を行い、経営基盤がしっかりした建設業者を選ぶことで、国民の信頼を確保するよう努力することが義務づけられています。

ただ、いくら信頼できる業者であっても、毎回同じ建設業者に公共工事を発注していると、特定の業者にのみ税金を投じることになってしまいます。

そこで公共工事の発注では「競争入札」の制度が導入されており、発注のたびに経審結果通知書の提出を求められます。

なお、経審の有効期限は審査基準日から起算して17ヵ月間です。この期間内であれば、同じ経審結果通知書を提出することで、公共工事の競争入札に参加することができます。

有効期限が切れたら、再び経審を受けて新しい結果通知書を受け取らなければならないので注意しましょう。

経営事項審査(経審)を受けるメリット

経審を受けるには申請手続きや費用が必要ですが、それを補って余るほどのメリットがあります。

ここでは、経審を受けることによって得られる主なメリットを3つご紹介します。

公共工事の競争入札に
参加できる

経審を受ける最大のメリットは、公共工事の競争入札に参加できることです。国や自治体が発注する公共工事は、一般的に民間事業が発注する工事より規模が大きく、安定した受注を長期的に請け負うことができます。

国や自治体が発注元ですので、貸し倒れのリスクがなく、安心して工事を請け負えるところも大きな利点です。

また、経審を経て公共工事を受注した場合、国や自治体が認めた実績ある業者として高い評価を受けます。

建設業界では信頼や実績が重視されますので、公共工事を受注することは収益以上の価値があります。

自社の存在・実績をアピールできる

経審を受けて公共工事の競争入札への参加申請を行うと、入札参加資格者登録が行われます。

登録を済ませた建設業者の格付評点やランク、経審点数などは一般公開されるため、誰でも情報を閲覧することが可能です。

民間事業者も、できるだけ経営基盤が安定している業者に工事を発注したいので、経審を受けて情報が公開されれば、公共工事だけでなく、民間工事の発注を受ける可能性も高まります。

民間事業者のなかには、経審を受けていること、または一定以上の経審点数を得ていることを条件にしているところもありますので、ビジネスチャンスを拡げるきっかけになります。

自社の経営状況を客観的に把握できる

企業が発展・成長するためには、自社が抱える課題や問題点を洗い出し、解決する必要があります。

ただ、自社の経営状況を客観的に把握するのはなかなか難しく、相応の時間と手間がかかってしまいます。

経審を受ければ、国土交通大臣や都道府県知事、および国土交通大臣の登録を受けた第三者機関(登録経営状況分析機関)が、国土交通省令に基づき、公正に審査・評価してくれるため、自社の経営状況を客観的に把握できるようになります。

経営事項審査(経審)の費用

経審を受けるには、所定の手数料を支払う必要があります。

手数料は大きく分けて「経営状況分析申請」と「経営規模等評価申請」「総合評定値の請求」の3つがあり、それぞれ費用の算定方法が異なります。

経営状況分析申請の手数料

経営状況の分析は、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」によって行われます。

かつては財団法人建設業情報管理センターが、指定経営状況分析機関として経営状況の分析を一手に請け負っていましたが、登録制度への変更にともない、2004年以降は、民間事業者も経営状況の分析に携わっています。

登録経営状況分析機関は、国土交通省の公式サイトにて一覧が掲載されていますので、任意で決めた機関に問い合わせのうえ、申請を行います。

なお、経営状況分析申請の手数料は、各機関が独自に定めています。

同じ機関でも、申請方法やプランによって手数料が異なりますので、どの機関に依頼するか迷った場合は、費用で比較検討するのもひとつの方法です。

おおよその相場は1万~14,000円程度となります。

経営規模等評価申請の手数料

8,100円に、経審を受けようとする建設業(審査対象業種)1種類につき2,300円を加算した額を支払います。[注1

たとえば審査対象業種が2業種ある場合は、「8,100円+(2,300×2業種)=12,700円」が経営規模等評価申請の手数料となります。

参照:国土交通省:経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き

総合評定値の請求

400円に、審査対象業種1種類につき200円を加算した額を支払います。[注2

たとえば審査対象業種が2業種ある場合は、「400円+(200×2業種)=800円」が手数料となります。

手数料の納付方法ですが、経営状況分析申請手数料は、各機関が定めた方法により納付します。

一方、経営規模等評価申請と総合評定値の請求にかかる手数料は、都道府県知事または国土交通大臣宛に納付します。

国土交通大臣は収入印紙を、都道府県知事は県収入証書をそれぞれ申請書に貼り付けしたうえで提出しましょう。

参照:国土交通省:経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き

経営事項審査(経審)の進め方

経審を受けるには、分析・評価を請け負っている各事業者にて申請手続きを済ませる必要があります。

申請手続きは「経営状況分析」と「経営規模等評価」の2つに分かれていますので、それぞれ必要書類を提出し、然るべき手続きを行いましょう。

なお、先に経営状況分析結果通知書を取得しないと、経営規模等評価申請を行うことはできません。申請する順番にも注意が必要です。

ここでは、経審の進め方を手順に従って説明します。

1. 決算報告書の作成

各事業所で定められた日に決算を行い、財務諸表を作成します。

なお、この決算日が審査基準日となり、これより17ヵ月間が経審の有効期間となります。

2. 事業年度終了届の提出

決算書をもとに作成した事業年度終了届を許可行政庁に提出します。

3. 経営状況分析の申請手続き

経営状況分析機関に、審査基準日直前1年分の財務諸表等や、減価償却実施額を確認できる書類、建設業許可通知書(または証明書)の写しといった必要書類を添えて、経営状況分析申請書を提出します。

なお、初めて申請する場合、財務諸表は3期分を提出する必要があるので要注意です。

4. 経営規模等評価申請の手続き

許可行政庁で経営規模等評価申請の手続きを行います。

必要な申請書等は以下のとおりです。

  • ①経営規模等評価申請書・総合評定値請求書
  • ②工事種類別完成工事高/工事種類別元請完成工事高
  • ③その他の審査項目
  • ④技術職員名簿
  • ⑤経営状況分析結果通知書の原本
  • ⑥外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定書の原本(該当する場合のみ)
  • ⑦委任状(代理申請の場合のみ)
  • ⑧審査手数料印紙貼付書

①~の別紙)については、国土交通省の公式サイトから書式をダウンロードできます。

これら申請書等とは別に、消費税確定申告書の控えや、添付書類の写し、消費税納税証明書の写しなどの「確認書類」を提出する必要があります。

確認書類の種類は、国土交通大臣許可業者と、都県知事許可業者とでは違いがありますので、国土交通省や各都県に問い合わせておきましょう。

5. 総合評定値通知書の取得

経営状況分析と経営規模等評価申請の審査結果をまとめたものが、建設業者の総合評定値となります。この総合評定値をもとにランクが決定され、一般公開されます。

総合評定通知書は、4にて総合評定値の請求を行うことで、およそ1ヵ月後に送付されます。

経営事項審査(経審)の点数をアップするためのポイント

経審を受けて公共工事の受注を目指したい、あるいは民間事業者に実績をアピールしたいという場合は、経審の評定点数をできるだけアップさせる必要があります。

ここでは、経審の評定点数をアップさせるポイントを3つご紹介します。

1. 「その他の審査項目」をチェックする

経審には4つの審査項目区分がありますが、まず注目したいのは「その他の審査項目」です。

その他の審査項目の最高点数は207点ですが、総合評点を求める際は、以下の計算式で算出した数値を加算します。

「その他の審査項目(W)」の評点=Wの合計点数×10×190÷200

つまり最高点の207点であれば、Wの評点として1,966点が総合評点に加算されます。

逆に、その他の審査項目で減点があれば、総合評点への加点が少なくなるか、場合によってはマイナスになってしまうこともあります。

たとえば「労働福祉の状況」では、雇用保険や健康保険、厚生年金保険に加入していない場合はマイナス評価の対象となり、最大で120点も減点されてしまいます。

その他の審査項目で加点を狙うためには、それなりの投資が必要ですが、費用対効果は高いので、経審の項目を見直すのなら真っ先に取り組むべきポイントといえるでしょう。

2. 完成工事高の算定方法を見直す

完成工事高の算定方法は、2年平均または3年平均のいずれかを選択することができます。

完成工事高は高ければ高いほど加点されますので、直近3期の完成工事高をもとに、2年平均と3年平均のどちらを選択すればよいのか確認してみましょう。

たとえば直前決算の完成工事高が5,000万円、前期が4,000万円、前々期が3,000万円の場合、2年平均では(5,000万円+4,000万円)÷2=4,500万円、3年平均では(5,000万円+4,000万円+3,000万円)÷3=4,000万円です。

この場合、2年平均の方が完成工事高が高くなりますので、2年平均を選択するのが得策で他の事業からの積み上げも検討するとよいでしょう。

3. 手持ち資金の比率を高める

経営状況(Y)のポイントを上げるには、手持ち資金の比率をなるべく高めることが大切です。

具体的な対策としては、配当金や役員報酬を抑える、売掛債権や立て替え工事高を減らして流動資産を増やす、不要な固定資産を減らすなどです。

自己資本を充実させれば、経営基盤が強くなり、経営状況の評価アップにつながります。

経営事項審査(経審)を受けることにはさまざまなメリットがある

経営事項審査(経審)は、公共工事の競争入札に参加するために必要不可欠な審査です。ほかにも、民間事業者にアピールできる、自社の経営状況を把握できるなど、さまざまな利点があります。

経審を受けるには、所定の手続きと手数料が必要です。高い費用対効果を得られますので、自社の発展・成長を望むのなら、一度経審を受けてみることをおすすめします。

経審の結果が思わしくなかった場合は、今回ご紹介したポイントアップの方法を参考に、経営状況の見直しを図ってみましょう。

ご不明な点などございましたらいつでもMIRAI行政書士事務所にご相談下さい。親切丁寧なご説明を心がけております。

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